こめ油は米から抽出した油ですが、体に悪いというイメージを持っている人もいるでしょう。
なぜ、こめ油が体に悪いと言われているのか、製造方法やこめ油に含まれている成分に着目し解説していきます。
また、こめ油を摂取することで得られるメリットもお伝えするので、どのような食事を選択すれば良いのか悩んでいる方は最後まで読んでみてください。
記事を読み終えたあと、健康的な食事のヒントが得られるはずです。
こめ油の主な製造方法
こめ油の製造方法は、高品質な米の選別からはじまります。選別された米は洗浄され、不純物や埃を取り除くために清浄化が必要です。
そのあと加熱し加熱された米から油を抽出します。一般的な抽出方法は以下の通りです。
圧搾法
圧搾法は、油を種子、実、果実などの原料から取り出す方法で、機械的な圧力を使用します。圧搾法は、一般的には冷却圧搾法(cold pressing)と熱圧搾法(hot pressing)の2種類です。
冷却圧搾法は低温で行われ、油の風味や栄養価を保持しやすい特徴があります。一方、熱圧搾法は高温で行われ、収率が高くなる傾向があります。
しかし、一部の栄養成分が失われる可能性があるのが特徴です。
化学溶剤での抽出法
化学溶剤での抽出方法は、通常はヘキサンを使用してこめ油を抽出します。化学溶剤は油を効率的に抽出するのに役立つ方法です。しかし、製品の品質に影響を与える可能性がある化学溶剤残留の問題があるため、最終的には溶剤が取り除かれます。つまり、品質管理には十分注意が必要な方法といえます。
こめ油が体に悪いと言われる理由
ではなぜ、こめ油は体に悪いと言われているのでしょうか。その理由を解説していきます。
1. ノルマルヘキサンを使用するから
化学溶剤ノルマルヘキサンは、化学溶剤抽出法で使用される食品衛生法で認められた食品添加物です。ただし、長期間摂取すると、人の健康に有害な影響をもたらす危険性があります。しかし、ノルマルヘキサンは、こめ油の精製過程で完全に取り除かれます。こめ油を製造する際には、溶剤抽出法を用いることがあり、このプロセスでは高温で油を加熱します。
ノルマルヘキサンの沸点は68.7℃であるため、高温で加熱することでノルマルヘキサンは蒸発して消失し、最終的なこめ油には残りません。
こめ油の取り扱いには、非常に厳格な規制と注意が払われ、最終的な製品には有害な化学物質が残らないように工程が設計されているため、安心です。
2. トランス脂肪酸を含んでいるから
トランス脂肪酸は、脂肪の一種です。トランス脂肪酸は、お菓子、ファーストフード、冷凍食品、クッキー、フライドポテトなどの加工食品に含まれています。
これらの食品に含まれているトランス脂肪酸は、心臓の血管に問題を引き起こし、心臓病のリスクを高める可能性があります。
また、トランス脂肪酸は体にとって必要な脂肪ではなく、太りやすい体質になるとも言われています。
しかし、トランス脂肪酸が含まれている油はこめ油に限りません。
むしろ、油の中でもこめ油はトランス脂肪酸の含有量が少量であるため、健康志向の方には、サラダ油を使用するよりもおすすめといえます。
3. カネミ油による食中毒事件があったから
カネミ油による食中毒事件は、1960年代に日本で起きた大きな事件の一つです。1960年代、日本でカネミ油という食用油が販売されました。しかし、この油には「アニリン」という有害な物質が混ざっていました。アニリンは人体に害を及ぼす有害な成分です。
カネミ油を摂取した人々は、お腹の痛み、吐き気、下痢などの症状が発症し、一部の人は重篤な病気になり、命を失うという事態にまでなりました。
そのため、この事件をきっかけに、食品の安全性を確保するための法律や規制が強化され、品質管理と安全性の向上につながり、人々の健康は守られています。
参照:カネミ油症について|京都府ホームページ
こめ油が体に悪いのは嘘?3つのメリット
食品についての情報は時に混乱し、どれが本当に健康にいいのか判断するのは難しいこともあります。ここでは、こめ油を摂取することのメリットを解説していきます。
1. がんや生活習慣病を予防する
こめ油ががんや生活習慣病を予防する理由は「モノ不飽和脂肪酸」と呼ばれる種類の脂肪が豊富だからです。これらの脂肪は、血管の健康を保ち、心臓病などの生活習慣病のリスクを減少させることに役立ちます。また、こめ油には抗酸化物質も含まれています。抗酸化物質は、私たちの体内で発生する有害な酸化反応を防ぎ、細胞を守る役割を果たします。細胞が正常に機能し、ダメージを受けにくい状態を保つことで、がんの発症リスクを低減できるのです。
さらに、こめ油は飽和脂肪酸よりもヘルシーな脂肪源であり、食事の多様性を促進します。飽和脂肪酸を多く摂取すると、動脈硬化や心臓疾患のリスクが高まります。
そのため、こめ油を積極的に摂取することで、健康な脂肪酸のバランスを保つことができるといえるでしょう。
2. 悪玉コレステロールを減らす
悪玉コレステロールは、私たちの体にとって悪影響を及ぼすもので、動脈に詰まる原因になります。そんな悪玉コレステロールをこめ油が減らすことができる理由は、その中に含まれるモノ不飽和脂肪酸という特別な脂肪酸のおかげです。
モノ不飽和脂肪酸が私たちの体の中で、悪玉コレステロールの合成(作られること)を阻止してくれます。つまり、こめ油を食べることで、悪玉コレステロールの量が減り、心臓の健康が向上するといえます。
ただし、あまりにも多くのこめ油を摂りすぎると、逆に体に悪い影響を及ぼすため、こめ油を摂取するときには、適切な量を守ることが大切です。
健康な食事には、こめ油のようなモノ不飽和脂肪酸を含む食品を組み込むことで、コレステロールのバランスを整え、心臓の健康をサポートすることにつながるでしょう。
3. アンチエイジングにも効果的
こめ油がアンチエイジングに良い理由は、その中に含まれる特別な成分と栄養素が肌や健康に良い影響を与えるからです。まず、こめ油にはビタミンEという成分が豊富に含まれています。
ビタミンEは肌を健康で若々しく保つのに役立つ抗酸化物質の一つです。紫外線やストレスなどから肌を守り、シワやシミの予防に役立ちます。
さらに、こめ油には健康に良い脂肪が含まれていることもアンチエイジングに寄与します。モノ不飽和脂肪酸とポリ不飽和脂肪酸は、健康な皮膚と細胞の再生を支援し、肌の弾力性を維持するのに役立つのです。
また、こめ油にはミネラルや抗酸化物質も含まれており、体内の炎症を抑えたり、免疫機能をサポートしたりする助けにもなります。
炎症が慢性化すると、老化の進行を早める可能性があるため、こうした成分はアンチエイジングに有用といえるでしょう。
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まとめ
こめ油の製造方法は、高品質の米の選別からはじまります。選別された米は洗浄され、不純物や埃を取り除き加熱したのち米から油を抽出します。このように、丁寧に製造されているこめ油が、なぜ体に悪いと言われているのか。その理由には、含まれている成分や過去に起こった食中毒事件など関与しています。しかし、現在は安全性を確保するための法律や規制が強化されています。
そのため、こめ油は体に悪いと言われている理由は取り除かれ、むしろ健康面や美容面でも良い影響をもたらしてくれるものといえるでしょう。
ご自身の健康的で美しい体と心のために、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。