一般的に使用されているサラダ油、ごま油、オリーブオイルなどに加え、近年ではココナッツオイルやえごま油など、さまざまな油が使われています。
油の種類が増えて気になるのは“それぞれに含まれている成分や特徴”です。
とくに、健康面を気にしている方は、どの油が体に良いのか知っておきたいところでしょう。
そこで、今回は体に良い油として注目を集めている「米油(こめあぶら)」について、特徴やメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
【この記事のポイント】
・そもそも米油とはどのような油なのか
・米油のメリット・デメリット
・米油で揚げた絶品チュロス
そもそも米油とは?
米ぬかとは、玄米を精白した際に出る果皮や種皮、胚芽などの部分のことで、米ぬかには約18〜20%の油分が含まれています。
その米ぬかに含まれた油分を抽出したものが「米油」となるのです。
米油は体に良い?4つのメリット
米油のメリットについて見ていきましょう。
米油のメリット➀酸化に強い
一般的な油は、開封して空気に触れることで酸化し、劣化が進んでしまいます。そのため、基本的に油は一度開封すると劣化が進むのですが、トリエノールなどの抗酸化作用がある成分が多く含まれている米油は酸化しにくいというメリットがあります。
また、油が酸化すると、揚げ物などの嫌なニオイが発生するものです。
その点、米油は嫌なニオイが発生しにくいので、時間が経ってから食べるお弁当のおかずなどにもおすすめです。
米油のメリット➁油酔いしにくい
自宅で揚げ物をすると、部屋中に油のニオイが立ち込めて気分が悪くなる、いわゆる「油酔い」を引き起こしてしまうことがあります。これは、油の加熱によってアクロレインという物質が発生するからです。
米油は、他の油に比べてアクロレインの発生が少ないので、ニオイが部屋に充満することがなく油酔いもほとんどすることはないでしょう。
米油のメリット➂洗い物がラクになる
米油は油のキレがよく、鍋などに付着することが少ないため洗い物がラクになるのも大きなメリットです。揚げ物料理後の洗い物って大変ですよね。
米油であれば、べたつきが少なくサラサラなので後片付けも手間なくできるでしょう。
また、米油を手に薄く塗ることで保湿効果もあるので、冬の手荒れなどに悩んでいる方は試してみてはいかがでしょうか。
米油のメリット➃コレステロール低下作用がある
他の植物油に比べて、米油にはコレステロールの消化吸収を抑える「植物ステロール」という成分が多く含まれています。「植物ステロール」は善玉コレステロールには影響を与えず、悪玉コレステロールのみを減らしてくれるので、コレステロール値の調整にも有効です。
また、米油のみに含まれる「ガンマーオリザノール」には、脂質の吸収を抑え肝臓でコレステロールが作られるのを防ぐ効果があるので、生活習慣病にも効果的といえます。
米油のデメリット
トランス脂肪酸が含まれている
基本的に、油脂製品の製造過程ではニオイや不純物を取り除くため200度以上の高温で処理されるのですが、このときに体に悪いトランス脂肪酸が生成されます。しかし、トランス脂肪酸が人間の体に影響を及ぼすには、1日で100gの米油を摂取する必要があるため、一般的にはほとんど影響はないと考えて良いでしょう。
値段が高い
先ほどもお伝えしたように、米油は米ぬかから約18~20%しか抽出することができず、大量生産が難しい食用油です。玄米100kgから抽出できる米油は1kg程度。
そのため、一般的な食用油に比べると値段が高く販売されていることが多いのがデメリットといえます。
体に良いは本当?米油の栄養素
油と聞くと、体に悪いというイメージがありますが、米油には豊富な栄養素が含まれているため、体に良いと言われています。米油に含まれている主な栄養素はこちらです。
■オレイン酸(42%)
オレイン酸は、米油やオリーブオイル、ヒマワリ油などに多く含まれており、高コレステロール、高エネルギーの食事が原因で増えた善玉コレステロールを抑制する効果があります。
これによって、心臓障害を防ぐことができ、健康面でも効果的といえます。
■リノール酸(37%)
リノール酸は植物油に多く含まれている不飽和脂肪酸で、人間の体内では作ることのできない必須脂肪酸と呼ばれています。
必須脂肪酸は体の組織が正常に機能する上で欠かせないもので、リノール酸が不足すると皮膚障害が生じることがあります。
また、血中コレステロール値を低下させることで、血管の硬化を防ぐ働きがあるといわれています。
■ビタミンE(トコフェロール)
ビタミンEは、脂質の抗酸化作用によって肌荒れの原因となる過酸化脂質の発生を防ぐ効果があります。
現代の日本人が摂取するビタミンEの約30%は植物油からで、とくに良質なビタミンEは米油から摂取するのが理想です。
■トコトリエノール
トコトリエノールとは、ビタミンEの一種で、ビタミンEはトコトリエノールとトコフェロールの大きく2種類に分類されます。
トコトリエノールはトコフェロールの約50倍近くの抗酸化力と言われ、別名「スーパービタミンE」とも呼ばれています。
そのため、がんや糖尿病、神経系などさまざまな病気に対する研究が進められ、栄養機能食品や薬の開発が期待されています。
■植物ステロール
コレステロールの吸収を抑える天然成分で、他の油に比べて米油には多くの植物ステロールが含まれています。
■γ-オリザノール
γ-オリザノールとは、コメ胚芽や米ぬかに多く含まれているポリフェノールの1種で、米ぬかを絞って作る米油に多く含まれています。
γ-オリザノールは、植物ステロールと同じく血行を良くしてコレステロールの吸収を抑える効果があり、脳機能の劣化防止などにも効果的です。
また、善玉コレステロールを増加させ悪玉コレステロールを減らす働きがあるので、脂質異常症の予防にも効果的といわれています。
そのため、日本では高脂血症や自律神経失調症などの医薬品として使用されていることが多いです。
米油で揚げた絶品スイーツ「米粉チュロス」が食べられるお店|avan渋谷本店
米粉のチュロスはフレーバーが豊富で、どれも絶品です。
その他、米粉を使った唐揚げやタコライス、オリジナルドリンクなどもございます。
メニューはすべて完全グルテンフリーなので、小麦アレルギーの方やグルテンフリー生活を取り入れている方にもおすすめです。
テイクアウトもできますので、ぜひ一度ご堪能ください。
まとめ
米油はまだ一般的に使用されるケースが少ないですが、さまざまなメリットがある食用油のひとつです。これまで、油酔いや洗い物などに悩まされていた方は、一度米油を試してみるのも良いでしょう。
米油のメリットやデメリットなど、この記事が少しでも参考になれば幸いです。