パンを作る時はもちろん「小麦粉」は料理をする上で欠かせない存在ですが、最近では「米粉」を使った商品やスイーツを提供しているお店が増えてきたように感じます。
では、「小麦粉」と「米粉」は何が違うのでしょうか?
この記事では、それぞれの特徴や違いなどについて詳しく解説していきたいと思います。
「最近、米粉が気になっている」「米粉は結局何が良いの?」そう考えている方はぜひ参考にしてみてください。
【この記事のポイント】
✓ 米粉・小麦粉とは
✓ 米粉と小麦粉の違い
✓ 米粉はダイエットに効果的なのか?
そもそも米粉って何?
米粉には、もち米から作る「上新粉」、うるち米から作る「白玉粉」などいくつかの種類があります。
これまでは、粒の大きさなどが理由でパンやスイーツ作りには向いていないと言われていましたが、最近では製粉技術が上がり、料理はもちろんスイーツなどにも使用されることが増えてきました。
米粉の特徴として、もちもちとした食感があります。
そのため、米粉を使ったパンやスイーツなどは弾力があり、もっちりとした食感を楽しむことができます。
いまさら聞けない小麦粉について
普段から料理をする方は知っている方も多いと思いますが、小麦粉には「強力粉」「中力粉」「薄力粉」の3種類があります。この3つの違いは、たんぱく質であるグルテンの質と量。
強力粉はもっともグルテンの量が多く、グルテンの性質も強いのが特徴です。
そこから中力粉、薄力粉になるにつれて、グルテンの量は減り性質も弱くなっていきます。
主に、パンやピザなどは強力粉、ケーキやお菓子、天ぷらなどは薄力粉を使用することが一般的と言えます。
米粉と小麦粉の違いとは?
しかし、小麦アレルギーの方やグルテンフリー生活をしている方は、小麦粉を口にすることはできません。
そこで、近年小麦粉の代用品として注目を集めているのが「米粉」なのです。
最近では、米粉を使ったパンやケーキなどのスイーツも数多く提供されていますが、小麦粉とは何が違うのか。
米粉と小麦粉の違いは大きく3つ、それがこちらです。
・グルテンが含まれているかどうか
・油の吸収率
・栄養素(必須アミノ酸)
➀グルテンが含まれているかどうか
米粉と小麦粉の大きな違いは、グルテンが含まれているかどうかです。基本的に、小麦粉にはグルテンが含まれていますが、米粉にはグルテンが含まれていません。
グルテンは、パンなどを作る際に膨らみやすいという特徴がありますが、中にはアレルギー反応を起こしてしまう人もいるので注意が必要です。
最近では、アレルギーやセリアック病以外の方でも、体調管理の一環としてグルテンフリーを取り入れる人が増えています。
➁油の吸収率
米粉と小麦粉では油の吸収率も変わってきます。米粉は小麦粉に比べ、油の吸収率が少なく、天ぷらなどの揚げ物でもヘルシーに仕上げることができます。
米粉は無駄な油を吸わないため、時間が経ってもべちゃつかないのも大きなメリットです。
③栄養素(必須アミノ酸)
米粉と小麦粉では、必須アミノ酸の含有量が異なります。必須アミノ酸とは、人間の体内では充分な量を合成できず、栄養素として食物などから摂取しなければならないアミノ酸のこと。
必須アミノ酸とタンパク質がバランスよく含まれているかを表す指標「アミノ酸スコア」では、米粉が65に対し、小麦粉は38~44と米粉のほうがより多くの栄養素が含まれていることが分かります。
米粉の素材はお米なので、アミノ酸以外にもビタミンB1やビタミンEなども豊富に含まれている栄養価の高い食材と言えます。
米粉3つのメリット
主なメリットはこちらです。
・小麦アレルギーでも安心して食べられる
・ダマになりにくく、料理に向いている
・片付けがラクになる
小麦アレルギーでも安心して食べられる
米粉は小麦粉とは異なりグルテンが含まれていないので、小麦アレルギーの方やグルテン過敏症の方でも安心して食べられます。とくに、小麦に含まれるグルテンは、腸内環境を乱し肌荒れや下痢、慢性的な疲労などのさまざまな症状が発症する原因でもあります。
大人になってから小麦アレルギーになる方も多く、小さなお子さんからお年寄りまで安心して食べられることは、米粉の大きなメリットといえます。
ダマになりにくく、料理に向いている
米粉は、小麦粉とは違いグルテンが含まれていないので、ダマになりにくいという特徴があります。そのため、使用するときにふるいにかけたり力を入れてかき混ぜたりする必要がないので、料理に向いているといえます。
また、米粉は小麦粉に比べて揚げ物がヘルシーに仕上がるので、ダイエット中の方や健康に気を遣っている方にもおすすめです。
片付けがラクになる
米粉は小麦粉に比べて粒子が細かく、水に溶けやすいという性質があるので料理後の後片付けがかなりラクになります。小麦粉を使ったパッドやボールは洗うのが面倒なこともあるので、米粉のようにサッと水で洗い流せるのは大きなメリットといえるでしょう。
小麦粉を米粉にするだけでダイエット効果がある!?
グルテンフリーとは、小麦などに含まれているグルテンを口にしない食事法のことです。
たしかに小麦粉を米粉に置き換えると、なんとなく体に良さそうな気はしますが、ダイエット効果はあるのでしょうか?
小麦粉と米粉を比較しながら、ダイエット効果について解説していきます。
グルテン依存による食欲増進
小麦に含まれるたんぱく質「グルテン」には、タバコに含まれるニコチンのような依存性があると言われています。そのため、パンなどの小麦は、食べれば食べるほど依存が高まっていくものです。
また、小麦に含まれる「アミロペクチン」という糖質は、血糖値が急上昇しやすい物質です。
血糖値が急上昇するということは、そのあと急降下する可能性が高くなります。
血糖値が急降下すると、空腹を感じやすくなるため食べすぎの原因にも繋がりやすくなります。
血糖値の急上昇
米粉は小麦粉に比べGI値の低い食材です。GI値とは、食べ物を口にしたときに血糖値の上がりやすさを示した数値で、GI値が高いほど急激に血糖値が上がる食材になります。
血糖値が急激に上がると、血管にも負担がかかりますし、なにより脂肪として体に蓄積されやすくなってしまいます。
その点、米粉は低GI値の食材なので、血糖値の上がり方が比較的緩やかで、腹持ちもよくなるので食べ過ぎの原因にもなりづらいのです。
パンを食べた後、すぐにお腹が空いた経験はありませんか。
これは血糖値の急激な変動が原因です。
米粉が直接的にダイエットに効果があるわけではありませんが、結果的に食べる量を減らすことに繋がると言えます。
米粉と小麦粉はどっちがいい?
しかし、栄養バランスや腸内環境の改善など米粉にはメリットも多いですが、小麦粉ほどパンをふっくらさせる効果はありません。
グルテンフリー生活を始める方は小麦粉を米粉に置き換えることがベストですが、あくまで適材適所であることを頭に入れておきましょう。
米粉は体に悪いのか?米粉を使用する注意点
一般的には栄養価が高く体に良いはずの米粉ですが、このように言われる原因は「糖質」にあります。
米粉を使ったパンやスイーツは、小麦粉のものに比べてカロリーは低くなるのですが、糖質は高くなります。
そのため、栄養価が高くカロリーが低いからといって食べ過ぎてしまうと、糖質の過剰摂取で糖尿病などを患う可能性もあるので注意が必要です。
どれほど体に良いものでも、過剰摂取は体のバランスが崩れるのでよくありません。
グルテンフリー生活で米粉を使用する際は注意しましょう。
米粉は値段が高い
糖質問題と同じく、米粉を使用する注意点として、コストの高さが挙げられます。小麦粉に比べると流通量が少ないので、おのずと値段は高くなり、販売している取扱い店舗も限られてしまいます。
とはいえ、最近では多くのスーパーで米粉の販売がされているので、以前よりは手に入れやすい食材になってきました。
どうしても値段は高くなってしまいますが、栄養価の高さや腹持ちの良さは米粉にしかないものです。
経済的に負担が大きくならない程度に、小麦粉から米粉に切り替えていくのが良いでしょう。
avanは米粉を使ったグルテンフリーメニューを提供
一番人気の“米粉のチュロス”はフレーバーも豊富で、どれも絶品です。
「おいしい米粉のメニューをが食べてみたい!」そんな方は、ぜひ1度足を運んでみてください。
■ avan
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まとめ
米粉と小麦粉では「グルテンが含まれているか」「油の吸収率」「栄養素(必須アミノ酸)」が異なります。米粉はグルテンが含まれていないため、小麦アレルギーやグルテン過敏症の方でも安心して食べることができ、食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれるのでダイエット効果も期待できます。
しかし、必ずしも小麦粉が悪く、米粉が体に良いということではありません。
いきなり小麦粉を抜くと、食物繊維などが不足し却って体調を壊してしまう可能性もあります。
大切なのは栄養バランスなので、小麦粉と米粉の特徴を理解した上で、自分に合ったものを使うようにしましょう。
米粉スイーツを試したい方は、ぜひavanにお立ち寄りください。