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近年、グルテンフリー専門店やグルテンフリースイーツなどが話題になっていますが、そもそもなぜグルテンフリーにする必要があるのでしょうか?

グルテンが体に及ぼす影響やグルテンフリーによる体調変化について、詳しく解説していきます。

【この記事のポイント】
✓ なぜグルテンは体に悪いのか
✓ グルテンフリーによる体調変化
✓ グルテンフリーの始め方

グルテンとは

そもそも、小麦やライ麦には大きく「グルテニン」「グリアジン」「アルブミン」「グロブリン」という4種類のたんぱく質が含まれています。

その中の「グルテニン」と「グリアジン」の2種類が、水を加えることで絡み合い生成された網目状の物質が「グルテン」です。

パンやうどん、ラーメンにパスタ、市販のカレールゥなど、私たちが普段口にする食品にはほとんど「グルテン」が含まれています。

グルテンが体に悪いは嘘?

グルテンフリーという言葉が日本でも浸透してきた今、「グルテン=体に悪い」と思っている方も多いでしょう。

しかし、実際はグルテン自体が体に及ぼす悪い影響はエビデンスとして残っていません。

そもそも、グルテンは粘着性があり、いわゆる接着剤のような役割をしています。

グルテンが体内に入ると、異物と反応し免疫反応を起こす、それが「炎症」となります。

そのため、グルテンに敏感な体質の方は危険ですが、そうでない場合はそこまで問題視する必要はありません。

ちなみに、グルテンが体に悪いと言われる理由は他にもあります。

・胃腸への負担
・血糖値の上昇
・依存性

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

胃腸への負担

パンが好きで頻繁に食べるという方は分かると思いますが、グルテンは消化が悪く胃への負担が大きいものです。

消化がされないということは、中々エネルギー減に変わらず腹持ちも悪いということ。

また、グルテンは腸に穴があき異物が血管内に漏れ出す自己免疫疾患病「リーキーガット」を引き起こす原因とも言われています。

腸内環境の乱れは、ニキビなどの肌荒れを中心に体にさまざまな悪影響を及ぼすので、十分注意しましょう。

血糖値の上昇

グルテンには血糖値を急上昇させる働きがあるため、パンを食べる際は注意が必要です。

ある研究結果によると、朝食にパンを食べると血糖値が150~200(mg/dl)程度まで上がると言われています。

血糖値が急激に上がるとインスリンが分泌され、これがいわゆる食後の眠気につながるものです。

血糖値の上昇は仕事や勉強の作業効率にも影響するものなので、血糖値の上昇が緩やかになるお米を中心とした食生活に切り替えるのもひとつでしょう。

依存性

先ほどの話と繋がりますが、血糖値が急上昇するとそのあと急降下します。

血糖値が下がると、もう一度血糖値をあげるように脳に指令がいくため、お腹がすいてしまうという負のサイクルに入ってしまいます。

グルテンは依存性が高いため、食べ過ぎは肥満の原因にもつながる可能性があるので注意しましょう。

グルテンは体に悪い?グルテンによる悪影響とは

現在、日本人の80%~90%は小麦が合わない体と言われており、その理由のひとつが小麦に含まれている「グルテン」です。

グルテンは消化されにくいたんぱく質のため、便として体の外には出ず、腸の粘膜の中に貼りついて体の健康に悪影響を及ぼすのです。

もちろん、悪い影響ばかりではありませんが、その影響力から「グルテンは体に悪い」というイメージがついてしまったと言っても過言ではありません。

グルテンによる影響はさまざまで、中でも代表的な3つについて解説していきます。

セリアック病

セリアック病とは、グルテンに対し異常な免疫反応が生じることで、小腸粘膜を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患のひとつです。

パンが主食の欧米諸国では有病率が1%程度ですが、日本などのアジア諸国では有病率0.05%程度と極めて稀と言えます。
(※参照:最近注目されている腸の炎症性疾患「セリアック病」

セリアック病は、幼児期から発症する人もいますが、青年期から中高年期にかけて発症するケースが大半です。

セリアック病の症状は多岐にわたりますが、主な症状は「腹痛」と「繰り返し継続する慢性的な下痢」になります。

さらに症状が重症化すると、倦怠感や貧血なども発症する恐れがあります。

今のところ、セリアック病に有効な治療法はなく、グルテンを含まない食事を心掛けるしかありません。

そこで生まれたのが「グルテンフリー」という食事法です。

今では、ダイエットや健康の一環として取り入れられていますが、もともとはセリアック病の治療として生まれた食事法になります。

小麦アレルギー

小麦アレルギーの症状はさまざまです。

蕁麻疹(じんましん)や痒みなどの皮膚の炎症、腹痛や下痢、嘔吐などの消化器官の乱れ、また呼吸困難やアナフィラキシーショック(※)を起こすこともあります。

口にするだけでなく、中には小麦の含まれた製品に触れるだけで発症することもあるので、十分注意が必要です。

※アナフィラキシーショック アナフィラキシーとは、「アレルゲン等の侵入により、複数臓器に全身性アレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過剰反応」のことを言います。
また、このアナフィラキシーに、血圧低下や意識障害を伴う場合をアナフィラキシーショックと言います。
(※参照:アナフィラキシーガイドライン

グルテン不耐症/グルテン過敏症

セリアック病と似ていますが、グルテン不耐症(グルテン過敏症)という病気があります。

グルテン過敏症は、グルテンに含まれる「グリアジン」というたんぱく質に過敏に反応し、発症するものです。

日本は昔からお米が中心でしたが、近年ではパンを主食にする人も少なくはありません。

そのため、セリアック病と共に日本でも発症率が上がってきた病気のひとつです。

グルテン不耐症の主な症状は、逆流性食道炎・腹痛・下痢・便秘・倦怠感・蕁麻疹(じんましん)・手足のしびれ・貧血などさまざまです。

グルテンフリーによる体調変化

グルテンが主な原因となる病気・疾患についてお伝えしてきましたが、それらを改善するための食事法がグルテンフリーになります。

ここでは、グルテンフリー生活によってどのような体調変化が起こるのかお伝えしていきます。

腹痛や下痢、アトピーなどの肌荒れ、倦怠感に集中力の低下などの症状がある方は、一度確かめてみてください。

腸内環境が整う

グルテンは消化されにくく、ときにはリーキーガット症候群と呼ばれる腸の炎症を起こしてしまうこともあります。

リーキーガットとは、英語で「液体などが漏れる」という意味を持ち、腸の粘膜に穴があき、ウイルスや菌などの異物が血管内に漏れ出す状態にある腸のことを言います。

そのため、グルテンフリーにするだけで腸内環境が整い、「便秘が解消された」「体のむくみが取れた」「お腹の張りがなくなった」などの効果が期待されます。

ダイエット効果

グルテンフリーはダイエットに効果的と言われていますが、実際は医学的根拠がなく、直接的な影響はありません。

では、なぜダイエットに効果があると言われているのか。

それは、グルテンに含まれる中毒性が関係していると考えられます。

グルテンにはたばこに含まれるニコチンのような中毒性があり、食べ過ぎの原因になってしまうこともあります。

そのため、グルテンフリーにすることで、このような中毒性はなくなり、結果的に食べる量を減らすことが可能です。

トランス脂肪酸を減らせる

グルテンフリーを取り入れることで、糖質の多いパンやクッキー、ケーキなどの添加物が含まれる加工食品を食べる機会が減ります。

こうした加工食品には、マーガリンやマヨネーズなどのトランス脂肪酸が含まれる油脂を使用していることが多く、このトランス脂肪酸が体に悪影響を及ぼす恐れがあるのです。

例えば、トランス脂肪酸が体内に入ると、細胞全体の働きが悪くなり、有害物質が侵入しやすくなります。

これにより、体内コレステロールのバランスが崩れ、心臓病を患う可能性が高くなるので非常に危険な物質といえます。

また、近年では糖尿病の発症原因のひとつがトランス脂肪酸であることも発見され、ますますグルテンフリーへの注目度は高まっています。

参照:厚生労働省:トランス脂肪酸に関するQ&A

気分が上がり病気が治る

プロテニスプレーヤーのジョコビッチ選手は、グルテンフリー生活を始めることで、肉体と思考が著しく向上し、リラックスできるようになったと答えています。

また、グルテンフリー生活を始めてから、朝の目覚めもよく憂鬱な気分がなくなったとも発表しており、グルテンフリーによって体だけでなく、気分も上向きになることが分かります。

朝の目覚めも悪く、体調も優れなければどうしても気分は下がってしまいますよね。

グルテンフリーを取り入れることで体調も良くなり、自然と気分が上向きになることで、うつ病や自閉症などの改善にも期待が持てます。

まずは軽くグルテンフリー生活を始めよう

グルテンフリーは、腸内環境から肌荒れ、ダイエットなどさまざまなところで良い効果をもたらしてくれます。

しかし、先ほどもお伝えしたように、グルテンフリーはもともとセリアック病の治療として生まれた食事法です。

そのため、病気・疾患のない健康な人が“いきなり”グルテンフリー生活を始めると、栄養バランスが崩れ体調を壊してしまう恐れがあるので注意しましょう。

健康や美容のためにグルテンフリー生活を始めるなら、まずは軽く行うのがポイントです。

まずは主食を米に置き換えよう

グルテンフリー生活を始める際のポイントは、まずは主食を「米」に置き換えることです。

例えば、普段朝食にパンを食べることが多い方は、パンをお米に置き換えるだけでいいでしょう。

主食をお米、いわゆる和食を中心にすることで、腸内環境やホルモンバランスは徐々に変わってくるので、2週間~4週間程度で体調変化に気づくはずです。

始めてすぐは好転反応の可能性もありますが、体調が悪い方向に進むようなら一度中断してもとの食生活に戻すことをおすすめします。

米粉を使ったグルテンフリー専門店avan

avan渋谷 店内
東京都渋谷区、京王井の頭線「神泉駅」から徒歩3分の場所にあるグルテンフリーカフェ「avan(アヴァン)」では、グルテンフリーメニューを提供しています。

米粉を使ったチュロスや唐揚げなど、全メニューが完全グルテンフリーなので、小麦アレルギーの人やグルテンフリー生活を取り入れている人におすすめです。


Instagramでもメニューなど紹介していますので、ぜひご覧ください。

■ avan
https://www.instagram.com/avan_sweets_/

まとめ

グルテンは、セリアック病や小麦アレルギー、グルテン不耐症などの原因として挙げられるほど、体に悪い影響を及ぼすものです。

腹痛や下痢など腸内環境による症状からアトピーなどの肌荒れ、さらには倦怠感や集中力の低下などの症状がある場合は、グルテンが原因かもしれません。

しかし、いきなりグルテンフリー生活を始めるのは危険なので、まずは軽く行うようにしましょう。

普段食べているパンをご飯に、小麦粉を米粉にするだけでも十分です。

一度グルテンフリーを体験したい方は、近くのグルテンフリー専門店を探してみてはいかがでしょう。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。